今回は株式会社プラネットという企業について調べてみました。プラネットは東証スタンダード市場に上場する企業で、EDI基幹プラットフォームの構築・提供・運用を手がけています。
EDIとは、Electronic Data Interchangeの略称で、電子データ交換と略されることがあります。こちらのサイトによると、「異なる組織間で、取引のためのメッセージを、通信回線を介して標準的な規約(可能な限り広く合意された各種規約)を用いて、コンピュータ(端末を含む)間で交換すること」と定義されています。
他にEDIプラットフォームを開発する企業としてはインフォマートが挙げられます。両者は規模こそ異なるものの、どちらも売上推移が綺麗な右肩上がりになっているのは共通するところです。
成長速度はさておき、このように、デジタルの力を使って、業界の新たなスタンダードをつくり、ネットワーク効果を働かせながらビジネスを大きくしていく、というのは、多くのスタートアップが思い描く理想の成長戦略の1つだと思います。インフォマートはインターネットで調べると分析記事がいくつも見られるの対して、プラネットについては、それほど多くは見かけませんでした。そこで、今回はプラネットという企業の深掘りを通じて、改めてEDIプラットフォームビジネスの難しさや成長戦略について考察していきたいと思います。
(Source: https://pixabay.com/ja/vectors/コンピューター-データ-デジタル-6107592/)
プラネットの業績
2004年のJASDAQ(現在の東証スタンダード・グロース市場の前進となる市場)上場時に売上高21億600万円だったプラネットは、2023年期の売上として31億3,100万円を記録しました。高い成長率とは言い難いものの、経常利益を見ると2004年期は2億4,600万円、2023年期は6億5,500万円と、早い時期から黒字を維持しています。また、興味深いのが従業員数で、2004年期は32名、2023年期末の社員数は46名と約20年間で14名しか増えていません。なお、コンパクトな組織を維持したまま、着実に成長している印象です。
株価は、2008年に底をついてから持ち直して2017年にピークを迎え、現在に至るまで緩やかな下落傾向にあります。
ちなみに、インフォマートの株価は、2006年の上場から多少の増減はあるものの上昇し続け、2021年にピークを迎えてから、現在は2017~2018年あたりの水準に戻っています。
プラネットのプロダクト
プラネットのプロダクトはEDIと、それを補完するオプション機能から構成されます。
プラネットの提供価値を表したわかりやすい図がホームページに掲載されています。プラネットのようなEDIがない場合、A社はW社・X社・Y社・Z社と個別に取引書類を授受しますが、W社・X社・Y社・Z社がA社に提出を求めるデータフォーマットはそれぞれ異なる可能性が高く、A社は異なる4つのデータフォーマットに対応する必要があります。一方、プラネットのようなEDIがある場合、A社はプラネットの規定するデータフォーマットにデータを登録するだけで済み、業務負荷が低減されます。下図は取引が4:4で例示されていますが、実際のサプライチェーンはもっと巨大で複雑であり、業務負荷も非常に大きくなります。
プラネットはこのようなEDIを、2種類提供しています。1つが、基幹EDIというEDIで、卸売業者とメーカーをつなぐものです。もう1つが、資材EDIというEDIで、メーカーと資材サプライヤーをつなぎます。下図で説明すると、モノの流れは、一番左の資材サプライヤーからメーカーに渡り、メーカーから卸売業者にわたり、卸売業者から一番右の小売業者にわたります。
少し細かく見ていきます。まずは資材EDIからです。資材EDIで取り扱うデータは、12種類あります。1つずつ見ると気がつきますが、いずれも「資材サプライヤー/メーカーが〇〇をメーカー/資材サプライヤーに通知するデータ」と書かれており、その〇〇に該当するものが12通りあります。
資材EDIの補完オプションとして、「Web資材EDI」という機能がありますが、わざわざWebと書かれていることや、「資材EDI」のアイコンにサーバー・ディスクが表示されていることから「資材EDI」は、ソフトをサーバーにインストールして利用するようで、Web資材EDIはインターネットを利用してブラウザから利用できるプロダクトになっています。
次に、メーカーと卸売業者をつなぐ基幹EDIを見ていきます。以下のイメージ図で紹介されているワークフローの一例を言語化してみます。
卸売業者がメーカーに発注データをプラネット上で送信する
メーカーが発注データをもとに、基幹システムで出荷データ・売掛データを生成し、それらをもとにした仕入データ・請求照合データをプラネット上で送信する
卸売業者が仕入データをもとに、基幹システムで買掛データを生成し、請求照合データと自動照合を行う。照合して合わなかったものは、違算明細として蓄積される
データフォーマットは、資材EDIよりも多く、20種類となっています。
資材EDIのデータフォーマットは登場人物が「資材サプライヤー」と「メーカー」の2者だったのに対して、基幹EDIは、「メーカー」「卸売業者」「小売業者」の3者になっています。例えば、「販売データ:卸売業が小売業等に商品を販売した実績をメーカーに通知するデータ」、「卸店担当営業連絡データ:卸売業がメーカーに卸売業の小売業営業担当者を通知するデータ」といった具合です。
ホームページによると、20種類のデータフォーマットは、「日用品・化粧品と家庭紙業界が採用した「業界統一伝票に基づく項目をベースに、メーカーと卸売業が協力して、業界で必要なデータフォーマットを全て洗い出し、標準化しました。」とあります。このあたりは、プラネットの成り立ちそのものに関わる重要な部分なので、追ってご説明します。
データフォーマットの定義・統一に加えて、プラネットが担っている役割の1つに、「取引先コードの登録・メンテナンス」が挙げられます。プラネット上では、小売業者の店舗や卸売業者の支店・物流センター(全国約48万件)に標準取引先コードが付与され、最新版となるようにメンテナンスされています。この情報はプラネットを利用するメーカーと卸売業者に情報公開されます。
この標準取引先コードがあると、どんなシーンで、誰が嬉しいのでしょうか?
例えば、卸売業者Aがある小売業者YにメーカーXの製品を販売したとします。卸売業者Aは、メーカーXに対して小売業者Yのある店舗に販売したことを通知する販売データを送ります。卸売業者Aは、小売業者Yの店舗に[Y-1][Y-2][Y-3]のように独自コードをつけているとします。
メーカーXは卸売業者Aだけではなく、卸売業者B・卸売業者Cとも取引しています。卸売業者B・卸売業者Cが、小売業者Yの店舗に卸売業者Aと同じようなコードをつけていればよいのですが、必ずしもそうとは限りません。卸売業者Bは[Y-ア][Y-イ][Y-ウ]、卸売業者Cは[Y-a][Y-b][Y-c]とつけているかもしれません。
そうすると、メーカーXは、同じ小売業者の同じ店舗に販売されたのにも関わらず、全て違う店舗コードで卸売業者から情報共有されることになります。メーカーは販売実績を集計・分析するにあたって、[Y-1]と[Y-ア]と[Y-a]が同じ店舗であるという変換表をつくり、基幹システムに変換プログラムを組み込むか、一度ファイル出力して、エクセルファイル上で関数によって変換しなくてはなりません。
もし、EDI上で小売業者Yの店舗が[Y-ⅰ][Y-ⅱ][Y-ⅲ]と一意に定義されていれば、メーカーは変換プログラムを書くことも、エクセルファイル上で変換する必要もなくなります。
基幹EDIに用意されているオプション機能を利用すると、メーカー・卸売業者がそれぞれの取引相手に対して基幹EDIデータをFAXに変換して送る、メーカーが物流業務の進捗にあわせて出荷予定データを更新して卸売業者に送信することができます。
プラネットの基幹EDIは、プロトコル・データフォーマット・コード・運用ルール等の要件をシステム開発会社に公開しており、プラネットと接続できるシステムのレパートリーを増やしています。現時点で、基幹EDIに接続可能なシステム製品を提供する企業として、13社が紹介されています。
プラネットの沿革
前章でプロダクトの機能を具体的に整理してみましたが、1つだけ感想を述べよと言われたら、私は「確かに各機能は便利でみんながこれを使うのが理想だけど、加入する事業者集めがとても大変そう...」と答えます。
これだけインターネットが普及した2024年現在でも、取引先から送られてくる請求書は各社フォーマットがバラバラで、電子印が押された請求書をPDFで送る企業もあれば、物理印を押した紙を郵送する企業もあります。あるいは、発注側Aが指定するEDIと、発注者Bが指定するEDIが異なるため、受注者は複数のEDI操作を強いられ、かえって以前より大変になった、という声も聞きます。
2000年に発刊されたこちらの論文に、「電子商取引(EDI:Electronic Data Interchange「電子データ交換」とも言う。)は米国で 30 年近く、日本でも 20 数年の歴史を持つ。」と記載があるので、少なくとも1980年以前から概念としては日本に存在するEDIですが、EDIが描く理想のデータ交換が行われているのは、残念ながらまだ特定の業界に限られているのが実情な気がします。
EDIの性質上、企業間のデータ交換の摩擦が少ないのは、「EDIの普及比率が高く、普及しているEDIの種類が少ない」状態だと思います。極論を言うと、全ての企業が1つのEDIに加入していれば、最も便利かもしれません。あるいはもう少し現実的なところでは、ある業界の全ての企業が1つのEDIに加入している状態は目指せるかもしれません。
一方で、そのようにEDIが普及した状態に移行するには、大きく2つの障壁があると思います。1つ目は「誰がEDIを管理・運用するのか?」、2つ目は「誰がEDIを普及させるのか」です。
誰がEDIを開発・運用するのか?
EDIを開発・運用するにあたって、必ずコストがかかります。例えば、WebEDIの場合はサーバー費用がかかりますし、取引先コードを標準化・メンテナンスするのには人件費がかかります。持続させるためには利用者から課金する必要があります。すると、EDIの管理・運用を行う事業者には利益が生まれます(利益が出ないように調整することも可能かもしれませんが)。
とすると、さまざまなEDIベンダーが市場に参入しようとするのは自然です。一方、EDIベンダーが乱立すれば業界の利便性はかえって下がっていきます。それを避けるため、業界における「ある種の指定ベンダー」をどう選定するのか、が重要で難しいトピックです。
誰がEDIを普及させるのか
1つ目の障壁と近い内容ですが、「誰が」ベンダーを指定し、業界スタンダードとして普及させていくのか、も大事です。というのも、プロダクトの性質上、EDIベンダーが「これを導入してください!」と躍起になって営業するだけでは、ユーザーに受け入れられるまでにひどく時間がかかり、なかなか普及が進まないことが予想されるためです。業界に広く普及するためには、キーマン・キーカンパニーがいるはずです。
プラネットは、まさにこの2つの問いに対する1つの解を提示している企業です。
プラネットはいまから遡ること約40年前の1985年に合弁会社としてスタートしました。出資者は、以下の9社です。株式会社インテックを除くと、いずれも日用品雑貨化粧品を取り扱うメーカーです。
ホームページには詳細が書かれていませんが、こちらの資料によると、より具体的には、ライオン株式会社・ユニチャーム株式会社の呼びかけで残り7社が集まった、というのが正確なところのようです。
設立から上場するまでの間のデータは多くありませんが、2004年に上場した際に公表された事業報告書には貴重なデータが残されています。こちらを参考に、いくつか重要なポイントを整理していきます。
株主の状況
残念ながら設立当初の株式保有比率を見つけることができませんでしたが、上場して有価証券報告書を出すようになった2004年と2023年で株主の保有株式比率を並べてみました。
(Source: 2004年・2023年の有価証券報告書より筆者が作成)
設立から2004年までに株式比率の変化がないと仮定した場合、ライオンとユニチャームの呼びかけで始まったのに、なぜライオンとユニチャームが同じ比率で保有していないのか、なぜインテックがライオンと同列なのか、また、なぜ2023年にはインテックが微妙に保有比率を減らし、ライオンが最大株主になっているのか、気になるところです。(詳しい方がいらっしゃったらぜひ教えていただけますと幸いです...!)
メーカーと卸売業者への普及スピード
まず、当初9社の共同出資によってスタートしたEDIは、2004年時点で289社のメーカー、453社の卸売企業が参加する状態になりました。2023年度には、839社のメーカー、491社の卸売業者、167社の資材メーカーが参加しています。数値だけ見ると、メーカーよりも卸売業者の方が先に浸透したことが窺えます。
2011年の決算説明資料には、稼働メーカー・接続卸売企業数の推移が掲載されていますが、圧倒的に卸売業者の接続が早く、後からメーカーの加入が増えていることがわかります。この点については、設立株主の卸売業者ネットワークが広かったこと、発注者である卸売事業者が増えることでメーカーも合わせて使うようになったことが予想されますが、メーカー間の競合関係もあって加入メーカー数の拡大には時間がかかったのかもしれません。
システム運用会社との関係について
2004年の事業報告書には、Q&Aセッションが設けられています。競合関係の「競合同士に1つのEDIネットワーク上に載るよう説得するのが大変だったのでは?」という質問に対する回答には、「データをプラネットは一切触れず、インテックに委託することで、ユーザーの理解を得ることができた」という内容が書かれています。
たしかに、直近2023年度の有価証券報告書を見ると、【経営上の重要な契約等】という項目に、インテックに対する「データ交換システムのコンピュータ運用処理及びその付帯処理の委託」を内容とする業務委託契約が記載されています。
セキュリティの重要性について
2004年の事業報告書と2023年の有価証券報告書に共通しているのは、事業リスクとして、システムの安全性が挙げられていることです。モノ・カネのデータがやりとりされる以上、システムダウンやデータ漏洩がもたらす事業インパクトは大きく、こういったプロダクトを展開する企業は、セキュリティを意識する必要がありそうです。
(Source: https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS07438/801dadaf/64bc/4772/b437/d0edb769ce3a/S100S1XC.pdf)
EDIベンダーが過去にとってきた成長戦略の1つに、物流業務そのものが挙げられます。プラネットは、設立4年後の1989年に、プラネット物流という会社を日用品雑貨化粧品メーカー10社と共同で設立しています。プラネット物流は、あくまで共同配送の運営者としての立ち位置で、トラック・倉庫・物流機器等を持たず、北海道・東北関東・南関東・名古屋・関西・九州に拠点を設けてコンサルティングを中心に活動しましたが、2016年に解散しました。
解散を1年後に控えた2015年の社長インタビューから、いくつかの解散理由がわかります。
かつては1,500社あった卸売事業者の集約が進んだことで、卸売事業者が荷物を集約する機能を持ち、プラネット物流として荷物を集約する必要性が薄れたこと。
メーカーが直で取引先に納入する動きが出てきたこと。
3PL業務が進む中で、倉庫業務だけやっていた会社が配送も手がけるようになり、配送業務だけやっていた会社が物流の運営・管理も手がけるようになった。それによって、ノンアセットで運営・管理だけのプラネット物流の存在意義が薄れた。
このインタビューを見ると、フィジカルな流通においては、卸売業者と物流業者の領域拡大により、プラネット物流が存在感を失ってしまったことがわかります。一方、データの流通においては、2015年時点でもプラネットのEDIは取引社数・取引データ量を着実に伸ばしています。
プラネットの今後の成長戦略
プラネットの収益の9割はEDI事業が閉めており、EDI事業は3つのアプローチで顧客に課金しています。
一時課金:サービス利用開始時に初期費用として請求
月次固定課金:ネットワーク維持の分担金として毎月請求
月次従量課金:データ処理の費用として毎月請求
2022年度の決算説明会資料には、EDI事業の売上構成が紹介されていました。80~85%が月次従量課金、10~15%が月次固定課金、0.5%以下が一時金となっています。
(Source: https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20220920534287/)
これを元に金額ベースで考えると、月次従量課金が23~24億円、月次固定課金が3~4億円、一時金が約1,000~1,500万円です。
また、同時期のユーザー数と通信処理データ量も紹介されており、ユーザー数が1,319社、通信処理データ量が19億7,800万件です。
(Source: https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20220920534287/)
先ほどの売上構成とユーザー数・通信処理データ量を踏まえると、正確ではないかもしれませんが、大まかな単価が見えてきそうです。
まず、従量課金売上は通信処理データ量に比例するため、23~24億円を19億7,800万件で割ると、1件あたり1.16~1.21円となります。
また、固定課金売上はユーザー数と比例するため、3~4億円を1,319社で割ると、1社あたり22~30万円となります。(1,319社は期末のユーザー数なので正確な数値ではありませんが、あくまで目安の算出ということでご容赦ください。)
一時金は新規ユーザー数と比例するため、1,000~1,500万円を35社で割ると、1社あたり28~43万円となります。
ちなみに、ユーザーごとにデータ処理件数は異なると思いますが、1社あたりの平均従量課金売上も算出してみると、23~24億円を1,319社で割るので、1社あたり年間174~182万円となります。
改めて単価について整理すると、以下のようになります。
全体の80~85%を占める従量課金は、通信処理1件あたり1.16~1.21円で、1社あたり年間174~182万円。
全体の10~15%を占める固定課金は、1社あたり年間22~30万円。
全体の0.5%未満の一時課金は、1社あたり28~43万円
調べてみるまで固定課金が大半を占めていると思っていたため、自分としてはこの結果が新鮮なものでしたが、ユーザーの取引件数が年度ごとにそれほど増減しないのであれば、課金体系が従量か固定かはあまり関係がない、と考えることもできます(従量課金と言いつつ、固定的に毎年課金されることになるため)。
それでは最後に、プラネットの成長戦略について大きく3つの方向性をご紹介します。
取り扱い製品の拡大
1つ目は、これまで日用品雑貨化粧品以外の領域にプロダクトを普及させていくことです。具体的には、ペットフード・ペット用品、医薬品・健康食品、介護用品、園芸用品等です。
ロジスティクスEDI
2つ目は、「ロジスティクスEDI」と呼ばれるプロダクトの普及です。ロジスティクスEDIは、同社が展開する基幹EDIを利用するメーカー・卸売事業者間で、物流に関する各種データを交換することで、両者および物流業者の業務効率化を図る目的で開発されています。
2020年8月には「出荷予定データ」機能がリリースされました。これは主にメーカーから卸売事業者に「いつごろ製品が到着するか」事前共有される機能で、卸売業者はその情報をもとに倉庫内のスペース確保、適切な人員配置、荷卸しや検品をスムーズに行うことが期待されます。
2022年11月には、2つ目の機能として「入荷検収データ」機能がリリースされました。今度は、卸売業者から入荷検品完了データをメーカーに送信するものです。従来は、卸売業者の印を押した受領書をドライバーが持ち帰って物流業者の拠点で保管するケースがありましたが、メーカーは手元に受領書がないと監査対応ができないため物流業者に問い合わせて取り寄せる必要があったそうです。入荷検収データをデジタル化することによって、メーカーはこの作業を省略することができ、保管や問い合わせの手間を省くことができる、と機能リリースページには紹介されています。プラネットは、今後もロジスティクスEDIの機能拡張を計画していると思われます。
POSデータクレンジング
3つ目が、POSデータクレンジングサービスです。これは、メーカーが小売業者から入手するデータを、分析に適したフォーマットに変換するサービスです。これは、プラネットの投資先であるTrue Dataが開発する技術を利用することが紹介されています。
特に日用品雑貨化粧品領域では高いシェアを誇るプラネットのEDI上では、各企業が持つ重要なデータがやりとりされるため、本来はそのデータを元にしたさまざまなデータビジネスが展開できそうですが、途中でご紹介した通り、データ処理を行うのはインテックであり、プラネット側ではデータ活用ができないことになっているため、プラネットとしてデータビジネスを手がけるのは難しそうです。
だいぶ長くなってしまいましたが、今後業界標準のEDI構築を目指す企業の参考になれば幸いです。
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